イテレータによる検索
Iterator::find
はイテレータを辿る関数で、条件を満たす最初の値を探します。もし条件を満たす値がなければNone
を返します。型シグネチャは以下のようになります。
pub trait Iterator {
// イテレートされる値の型
type Item;
// `find`は`&mut self`を取るため、イテレータを呼び出した値を借用し
// 変更しますが、消費することはありません。
fn find<P>(&mut self, predicate: P) -> Option<Self::Item> where
// `FnMut`はクロージャによって捕捉される変数が変更される
// 事はあっても消費されることはないということを示します。
// `&Self::Item`はクロージャが変数を参照として取ることを示します。
P: FnMut(&Self::Item) -> bool;
}
fn main() { let vec1 = vec![1, 2, 3]; let vec2 = vec![4, 5, 6]; // ベクタ型に対する`iter`は`&i32`を生成します。 let mut iter = vec1.iter(); // `inter_iter()`の場合は`i32`を生成します。 let mut into_iter = vec2.into_iter(); // `iter()`は`&i32`を生成し、ここではその参照が必要なので // `&&i32`を`i32`へとデストラクトします。 println!("Find 2 in vec1: {:?}", iter .find(|&&x| x == 2)); // `into_iter()`は`i32`を生成し、ここではその参照が必要なので // `&i32`を`i32`へとデストラクトします。 println!("Find 2 in vec2: {:?}", into_iter.find(| &x| x == 2)); let array1 = [1, 2, 3]; let array2 = [4, 5, 6]; // 配列に対する`iter()`も`&i32`を生成します。 println!("Find 2 in array1: {:?}", array1.iter() .find(|&&x| x == 2)); // 配列に`into_iter()`を使うと`&i32`を生成します。 println!("Find 2 in array2: {:?}", array2.into_iter().find(|&x| x == 2)); }
Iterator::find
は要素への参照を返します。要素の インデックス を使用したい場合、Iterator::position
を使用してください。
fn main() { let vec = vec![1, 9, 3, 3, 13, 2]; // `iter()`は`&i32`を生成しますが`position()`は参照を取らないので // `&i32`を`i32`へとデストラクトします。 let index_of_first_even_number = vec.iter().position(|&x| x % 2 == 0); assert_eq!(index_of_first_even_number, Some(5)); // `into_iter()`は`i32`を生成し、`position()`は参照を取らないので // `デストラクトする必要はありません。 let index_of_first_negative_number = vec.into_iter().position(|x| x < 0); assert_eq!(index_of_first_negative_number, None); }