Where句

トレイト境界は、{の直前にwhere句を導入することでも設けることができます。whereはさらに、型パラメータだけでなく任意の型に対して適用できます。

where句のほうが有効なケースには例えば以下のようなものがあります。

  • ジェネリック型とジェネリック境界に別々に制限を加えたほうが明瞭になる場合
impl <A: TraitB + TraitC, D: TraitE + TraitF> MyTrait<A, D> for YourType {}

// `where`を用いてジェネリック境界を設けます。
impl <A, D> MyTrait<A, D> for YourType where
    A: TraitB + TraitC,
    D: TraitE + TraitF {}
  • where句の方が通常の構文より表現力が高い場合。この例ではwhere句を使わずに書くことはできません。
use std::fmt::Debug;

trait PrintInOption {
    fn print_in_option(self);
}

// `where`句を用いない場合、以下と等価な機能を実装するには、
// `T: Debug`という形で表現するか、別の直接的でない方法
// を使用するかしなくてはなりません。
impl<T> PrintInOption for T where
    Option<T>: Debug {
    // 出力されるのが`Some(self)`であるため、この関数の
    // ジェネリック境界として`Option<T>: Debug`を使用したい。
    fn print_in_option(self) {
        println!("{:?}", Some(self));
    }
}

fn main() {
    let vec = vec![1, 2, 3];

    vec.print_in_option();
}

参照

RFC, 構造体, トレイト