関連要素が必要になる状況

コンテナ型に、その要素に対してジェネリックなトレイトを実装した場合、そのトレイトを使用する者は全てのジェネリック型を明記 しなくてはなりません

以下の例ではContainsトレイトはジェネリック型ABの使用を許しています。その後、Container型に対してContainsを実装していますが、その際後にfn difference()が使用できるように、ABはそれぞれi32と明記されています。

Containsはジェネリックトレイトなので、fn difference()では 全ての ジェネリック型を宣言しなくてはなりません。実際のところ、AB引数 であるCによって決定されていて欲しいにも関わらず、です。これは次のページで紹介する関連型と呼ばれる機能によって可能です。

struct Container(i32, i32);

// 2つの要素がコンテナ型の中にあることをチェックするトレイト
// また、最初と最後の値を取得することもできます。
trait Contains<A, B> {
    fn contains(&self, _: &A, _: &B) -> bool; // `A`と`B`両方を明示的に要求します。
    fn first(&self) -> i32; // `A`、`B`いずれも要求しません。
    fn last(&self) -> i32;  // `A`、`B`いずれも要求しません。
}

impl Contains<i32, i32> for Container {
    // コンテナ内の2つの要素が等しければTrueを返します。
    fn contains(&self, number_1: &i32, number_2: &i32) -> bool {
        (&self.0 == number_1) && (&self.1 == number_2)
    }

    // ひとつ目の値を取得。
    fn first(&self) -> i32 { self.0 }

    // 最後(2つめ)の値を取得。
    fn last(&self) -> i32 { self.1 }
}

// `A`と`B`は`C`に保持されていることを考慮すると、`A`と`B`を
// 2度も書くのは面倒。
fn difference<A, B, C>(container: &C) -> i32 where
    C: Contains<A, B> {
    container.last() - container.first()
}

fn main() {
    let number_1 = 3;
    let number_2 = 10;

    let container = Container(number_1, number_2);

    println!("Does container contain {} and {}: {}",
        &number_1, &number_2,
        container.contains(&number_1, &number_2));
    println!("First number: {}", container.first());
    println!("Last number: {}", container.last());

    println!("The difference is: {}", difference(&container));
}

参照

構造体, トレイト